海外安全対策情報

令和5年4月1日

海外安全対策情報 令和5年度第4四半期

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)パラー州大ベレン圏(ベレン市、アナニンデウア市、マリツーバ市、ベネビデス市、サンタ・バルバラ市、サンタ・イザベル市)全域で時間帯を問わず銃器を使用した強盗、殺人等の凶悪事件が多発しており、当地で生活するブラジル人はもとより、邦人の方々も同様に被害に遭遇しています。このため外務省ではパラー州大ベレン圏に対し『十分注意してください。』の渡航情報を発出し渡航者へ注意を呼びかけています。
 
(2)大ベレン圏中心部のベレン市内で特に犯罪が多発しているのは、ジュルーナス、グアマ、マルコ、ペドレイラ、サクラメンタ、テーハ・フィルメの各地区で、グアマ、ジュルーナスの両地区については、年間を通じて常に犯罪発生件数ワースト1、2 位に挙げられる危険地域とされています。それら犯罪多発地区内には貧民街が点在していますが、麻薬密売人、中毒者による殺人等の凶悪事件が日々発生しているため、安易に近づかないでください。
 
(3)ベレン市は2018 年の世界危険都市ランキング(30 万人以上の都市を対象として人口10 万人あたりの殺人発生件数で比較)で12 位(人口10 万人あたり65.31 件)になるなど、引き続き治安の悪い状況が継続しております。
 
(4)当地における犯罪の発生件数は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて大幅に減少していますが、2021 年犯罪件数を東京都(1,404 万人)とベレン大都市圏(240 万人)を10 万人あたりで比較すると、強盗が東京の1,835 倍、殺人が30 倍です。ベレン大都市圏内では1日平均約230件以上の犯罪が認知されていますが、これは警察に被害届けがあっただけで、被害届がないものを含む犯罪被害の実数は、この数倍になるものと見られています。
 
(5)ヴェロペーゾ市場、カステロ要塞、共和国広場周辺の観光名所とされている旧市街地では邦人の方々を含む旅行者の多くが強盗、スリ、ひったくり等の被害に遭遇しています。また、過去比較的安全と言われた、ナザレ、バチスタ・カンポス、サンブラスといった邦人長期滞在者居住地区内、また邦人の通うショッピングセンター内においても、近年、銃器を使用した強盗事件が発生しています。
 
(6)外出する際は昼夜を問わず、周囲の状況をよく確認する等、十分に注意してください。
 

2 ベレン市と周辺における殺人・強盗等凶悪事件に係る事例
(1)3月22日早朝、ベレン市ナザレ区の路上おいて、強盗がランニング中の女性を襲ったが、襲われた女性が軍警察婦警であったため、同婦警は所持していた拳銃で犯人を射殺した。

(2)4月14日日中、ベレン市のショッピングセンターの裏通りで強盗を働いた二人組が警察に追われて同ショッピングセンター駐車場に逃げ込み、同駐車場で車を駐車しようとしていた女性(UBER運転手)を人質に取った。軍警察による交渉の末、数分後に人質は解放された。

(3)5月4日夜、ベレン市ウマリザル区の路上にて、帰宅途中の市警備員が、武装した3人組に襲われた。その際被害者は咄嗟に犯人に発砲し犯人は逃走したが、警察の追跡により逮捕された。

(4)8月6日日中、ベレン市カンピーナ地区に所在するスーパーマーケットにて、4人組の男が金品強奪のために店内のイートインスペースを襲撃したが、店内で食事をしていた警察官が応戦した。同4名の内1名に同警察官が撃った銃弾が命中したが3名は逃走した。なお、今回の事件により店内にいた男性1名も手に銃弾を受け負傷した。

(5)8月12日夜、ベレン市シダーデ・ヴェーリャ区にて、3人組の男が金品強奪のために住宅を襲い、住人を人質に取った後盗んだ車両で逃走した。ナザレ区の路上にて軍警察と銃撃戦になり、銃撃戦の末2名が逮捕されたが、1名は逃走を試みるも軍警察により射殺された。

(6)8月23日朝、ベレン市マルコ地区にて、バイクに乗った2人組の男が、屋台の店主に銃を向け金品やスマートフォンを要求したが、店主が抵抗したため発砲した。2人組の強盗は被害者を撃った後に逃走し、被害者は病院に搬送されたが死亡した。

(7)9月10日朝、ベレン市サンブラス地区にて、2人組の男が銃器で被害者(建設業者)を脅し、身につけていた金のネックレスを渡すよう要求したが、銃器を所持していた被害者が抵抗し銃撃戦となった(被害者は工事現場での仕事のあとに、射撃場へ行く予定であったため銃器を所持していた)。この銃撃戦で被害者は4発被弾し、現場で死亡した他、現場付近のバス停にいた女性が流れ弾に当たって負傷し、救急病院へ搬送された。犯人はバイクで逃走した。

(8)9月1日早朝、通勤途中の男性が、ベレン市タパナン地区からヴェロ・ペーゾ市場間を運行するバスに乗車していた際、拳銃を所持した賊2人がバスの前方扉から乗り込み「強盗だ」と叫び、後方の扉を開けるよう要求した。開放された後方扉から別の賊2人が乗り込んできた際、後方扉付近にいた男性は他の乗客とともに車外へ逃げたため、被害はなかった。

(9)12月13日夜、ベレン市ウマリザウ区のパーティー会場にて、子供のパーティー開催中に強盗2名が侵入したが、軍警察パトカーが同会場に接近していることに気づき、同会場に居た者を襲わず、硝子のショーウィンドーを破壊して現場から逃走した。犯人が現場に侵入した際に現場はパニックになったが、けが人はなかった。

防犯対策

•常に周囲に気を配り、防犯意識を維持する。

•閑散とした場所には近づかない。

•単独行動を避ける。

•早朝、夜間の外出を避ける。

•移動の際は比較的安全なタクシーを利用する。

•華美な服装を避ける。

•現金は分散して所持し、路上で財布、カメラ、携帯電話は見せない。

•被害に遭った際は、抵抗せず犯人の指示に従う。
ナザレ祭 ヴェロ・ペーゾ市場